コンシェルジュがいるマンションに、あこがれている人も多いですよね。でも、コンシェルジュサービスには、メリット・デメリットの両方が隠れています。事前にサービスの内容を知っておけば、自分に合うかどうかもわかるはずです。物件検討の際も、悩む時間を減らせるでしょう。
この記事では、そんなマンションのコンシェルジュの具体的なサービス内容を、メリット・デメリットとともにご紹介します。
▼この記事のポイント
<マンションコンシェルジュの主なメリット>
・心に余裕ができ生活の質が上がる
・防犯性が高い
・資産価値が高い
<マンションコンシェルジュの主なデメリット>
・人件費がかかるため管理費が高い
・将来サービスがなくなる可能性がある
・利用しないことがある
メリットとデメリットを踏まえて、コンシェルジュつきマンションを選ぶかどうか決めてみましょう。
マンションのコンシェルジュとは?管理人との違いは?
コンシェルジュの主な仕事は、マンションの住人により良い生活をしてもらえるよう、サポートすることです。これに対して、マンションの管理人は清掃や各種点検など、建物の管理がメインになります。
立ち位置としてはホテルのフロントに近く、おもてなしの心が重要視される職業です。英語力が求められる場合もあり、管理人とは提供するサービスの内容がかなり変わってきます。
コンシェルジュのサービス内容とは?
ここからは、マンションのコンシェルジュが提供しているサービスの例を見ていきましょう。実際のサービス内容はマンションによって異なるので、あくまで代表的なものを挙げていきます。
実際に利用してみたいか想像しながら、チェックしてみるといいですね。
共用施設の予約受付
高級マンションには、住人が自由に使用できるジムやゲストルーム、パーティールームなどの共用施設が存在します。
コンシェルジュは、その事前予約の受付・管理に携わる立場です。
現在は住人が直接ネット予約ができるシステムを採用しているマンションもあります。その場合でも、予約状況を把握し、管理するのはコンシェルジュであるケースが多いです。
クリーニングの取次ぎ
シンプルにいうと、クリーニングの受付業務です。住人から衣料や毛布などを渡されたら、
伝票の作成・業者への引き渡し・クリーニング後の受け渡し・料金の会計までを代行します。ときには、ポイントカードの取り扱いを行うこともあるようです。
忙しくてなかなかクリーニングを出しに行けない人でも、スムーズに手続きができる便利なサービスですね。
メール・電話の対応
マンション宛にかかってきた、
外部からの電話やメールの対応もコンシェルジュの担当です。電話に関しては、内線・外線ともに取り扱います。
この他にもパソコンを使った表作成やファイリングなどの業務もあり、バックオフィス的な仕事を担当することも少なくありません。マンションの顔として庶務関係も担うのが、コンシェルジュの役割だということです。
タクシー・ハイヤーの手配
住人から依頼があったら契約業者に電話をかけて、
タクシーやハイヤーなどをマンションの敷地内に手配するのも業務の一環です。依頼が集中する時間帯(朝など)は、予約がなるべくぶつからないように配慮した上で手続きを進めていきます。
タクシー以外にも、レンタカーの手配も代行してくれるので、急に車が必要になったときも安心です。
ゲストの入館受付・ご案内
マンションに来訪者が現れた際は館内に入れていいかの判断を行い、安全なゲストのみご案内します。
該当する住人に連絡して安全性の確認を取り、セールスなどは断るのが通則です。
前もって住人から来客の予定を伝えられていた場合は、その時間にエントランスを開けておくこともあります。住人の不在時は、メッセージを預かることも多いです。
各種レンタルサービスのご紹介
来客用の布団など、
「買い揃えておくほどではないけれど、たまに必要になるもの」のレンタル業者を紹介するのも、コンシェルジュの仕事です。
これ以外にも、台車や自転車の空気入れといった備品を借りることもできます。電池や切手、指定ゴミ袋などを販売しているマンションも多く、日常をより便利にする機会を提供しているのです。
宅配便や郵便物のお預かり・発送
宅配ボックスや郵便受けに入り切らなかった荷物や郵便物を一時的に預かっておき、受け渡します。また、依頼があれば、宅配便の発送代行も可能です。住人から荷物を預かり、サイズの計測と会計を済ませたら、宅配業者に荷物を集荷してもらいます。
郵便局や宅配センターが近所にない場合、荷物の発送はかなりの手間です。面倒な作業を代わりにやってもらえるのは、コンシェルジュの存在意義の1つでしょう。
デリバリー・ケータリングサービスの紹介・手配
食事の手配を、コンシェルジュが行ってくれるマンションもあります。住人の目的に合わせて
デリバリー・ケータリング業者を各種紹介し、注文から会計まで手配するサービスです。
他にも、ベビーシッターやハウスクリーニングなど、さまざまな業者やサービスを紹介してくれます。業者を1から探す必要がないので、時間がない人にぴったりです。
コンシェルジュがいるマンションのメリットとは?
ここからは、コンシェルジュのメリットを3つご紹介します。
・心に余裕ができ生活の質が上がる
・防犯性が高い
・資産価値が高い
魅力的だと感じるポイントが見つかれば、コンシェルジュがいるマンションを検討する価値があるかもしれません。
心に余裕ができ生活の質が上がる
手間がかかる煩雑な作業を代わりにやってくれる人がいると思うと、それだけで心に余裕が生まれます。家事・育児にかけていた時間を少しでも短縮することができ、
家族や自分のために使う時間を増やせるでしょう。
帰宅した際に「おかえりなさい」と声をかけてもらえる喜びもあります。コンシェルジュとの何気ない会話を楽しめるところもポイントです。
防犯性が高い
コンシェルジュはいわば監視役の役割も果たしているので、
存在そのものがセキュリティ対策の1つです。常にフロントに人が立っていると、オートロックだけでは防ぎきれない犯罪の抑止効果が期待できます。
防犯面の心配が減ることは、大きなメリットといえるでしょう。中には、24時間体制でコンシェルジュが駐在しているマンションもあります。
資産価値が高い
コンシェルジュサービスが受けられるマンションは、一般的なマンションと比べて資産価値が高まります。
物件を売却する場合も価格が上がりやすいので、マンションの価値を保ってくれる重要要素です。
高齢化が進むにつれて、生活を支えてくれるコンシェルジュはさらに需要が高まることが予想されます。価格の推移は物件の状況によって変わりますが、コンシェルジュの存在がマンションの価値を判断する評価基準になることは間違いないでしょう。
コンシェルジュがいるマンションのデメリットとは?
ここでは、コンシェルジュのデメリットを3つ挙げていきます。
・人件費がかかるため管理費が高い
・将来サービスがなくなる可能性がある
・利用しないことがある
住み始めてから後悔しないように、自分の価値観と当てはめながら見ていきましょう。
人件費がかかるため管理費が高い
コンシェルジュを雇い続けるには、人件費がかかります。そして、そのコストは住人が払う管理費から捻出されているのです。
質の高いサービスを受けられることと引き換えに、毎月の管理費が高額になってしまうのはデメリットといえます。
上質なサービスと高額な管理費をてんびんにかけて、自分にとってどちらが大切なのかよく考えるべきですね。
将来サービスがなくなる可能性がある
住人の中には、コンシェルジュの存在が不要だと考える人もいます。その声がどんどん大きくなると、近い将来にコンシェルジュサービスが廃止になる可能性もなくはありません。コンシェルジュがいることを理由に物件を選んだとしても、
永続的にサービスを利用できるわけではないことを覚えておきましょう。
利用しないことがある
コンシェルジュが24時間駐在していない場合、帰宅する時間によっては「コンシェルジュの姿を1度も見たことがない」「使いたくても使えない」ということも考えられます。
また、
各種手続きを自分1人でできる人は、せっかく管理費を払っていてもコンシェルジュに依頼する必要性がありません。本当に自分に必要なものを取捨選択することが大切です。
コンシェルジュの給料は誰が支払っている?
前述したとおり、コンシェルジュの給料は住人が毎月払っている管理費の中から支払われています。コンシェルジュの雇用形態はマンションによって異なりますが、基本的にそれはほぼ変わりません。
サービスによっては別途料金がかかるものもありますし、決して無料で利用できるサービスではないことを忘れないようにしましょう。
コンシェルジュがいるマンションがおすすめな人の特徴とは?
最後に、コンシェルジュつきのマンションはどんな人におすすめなのか解説していきます。自分はコンシェルジュの利用に向いているのかどうか、考えてみてくださいね。
女性の方
コンシェルジュがいるマンションは、セキュリティ面に気を配る必要がある女性に最適です。
遅い時間に帰宅することになっても、フロントで誰かが出迎えてくれるので安心感があります。
基本的に常に監視の目がある状態なので、不審者や空き巣が侵入してくる危険性も低いでしょう。毎日不安を感じずに家に帰れることは、女性にとって嬉しい条件の1つです。
高齢者の方
日々の生活を快適に過ごせるコンシェルジュのサポートは、高齢者の方におすすめです。重い荷物を運搬してくれたり、宅配便の代行をしてくれたりと、
肉体的に負担がかかる作業を担ってくれるのはお金に変えられない価値があります。
気軽にあいさつや世間話ができる存在がいることも、心のゆとりに結びつく大事なポイントです。安らぎを感じながら生活できる、安堵感が味わえます。
コンシェルジュにはたくさんの魅力がある
コンシェルジュは、住人の暮らしをサポートしてくれる素晴らしいサービスです。高い管理費が必要になりますが、それだけの意義はあります。
ただし、今回ご紹介したメリットとデメリットをよく精査してから、必要なサービスを見極めることが重要です。その上で、コンシェルジュつきのマンションに魅力を感じるかどうか、改めて自分に問いかけてみてくださいね。